冬期にタンチョウが給餌だけに頼らず、自然の中で採食できるよう「冬期自然採食地」を給餌場周辺の湿地に整備し、整備の効果を測るための調査を行っています。整備箇所に設置したビデオカメラには、タンチョウの姿が映っており、また水路の淵には多数の足跡が残っていることから、タンチョウが利用していることが確認されています。

整備した後の冬期自然採食地

冬期自然採食地とは?

 

 


冬期には自然の中で水生昆虫などの餌を捕って暮らしていました。現在、冬期にタンチョウが採食できる凍らない水辺が少なくなり、人里に飛来する個体のほとんどが給餌に依存して越冬しています。



①冬期でも凍らない水辺であること、②餌となる水生昆虫などが暮らせる水辺であること、③タンチョウが危険を感じた時、すぐに逃げられるように、周囲の木々が密でない水辺であること



日本野鳥の会ボランティアプログラム「Green Holiday」の参加者や、大学生による自然保護ボランティア「Field Assistant Network」の参加者と協力して、水路作りや木々の伐採を行っています。

冬期自然採食地の調査

 鶴居村2大給餌場(サンクチュアリ給餌場、鶴見台)周辺におけるタンチョウの冬期自然採食地の位置を明らかにするため、冬季に周辺部の高台からタンチョウの行動を記録しました。

タンチョウの餌となる生きものが生息しているのか、どのような餌を食べているのかを明らかにするため、冬期自然採食地の確認調査でタンチョウが利用していることが確認された場所で、水生生物を採取し、分類する調査を行いました。

管理地・管理候補地の調査

 冬期自然採食地の拡大に向けて、鶴居村内の水路や河川において、水面の凍結の有無や樹木の密度など、次の管理候補地を選定するためのデータを収集します。

 これまでに管理を行った冬期自然採食地の管理効果を測定するため、タンチョウの利用状況を12~2月に、ビデオ撮影や定点観察によって調べています。

 冬期の餌不足を解消するため、11~3月にタンチョウにデントコーン(家畜用飼料のトウモロコシ)を給餌しています。
 また、冬期自然採食地の利用を促すために、一定期間は給餌量を調整して給餌を行っています。最大で300羽近くのタンチョウが飛来します。

給餌風景